専門看護師・認定看護師・認定看護管理者

専門看護師の活動事例紹介

2018年10月現在、2,000名を超える専門看護師が、6つの役割「実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究」を発揮し全国の様々な場で活動しています。専門看護師の活動事例について、連載します。

大川 恵さん  遺伝看護専門看護師 

活動風景

所属施設

聖路加国際病院 看護部
東京都中央区明石町9−1
病院病床数:520床
看護師数:904名

資格取得までの道

現在の所属施設に就業しながら大学院で履修
2017年資格取得

進学を志したきっかけ

遺伝看護を学びたいと思った最初のきっかけは遺伝診療部を兼務し始めて、初めて自分が担当した患者との出会いです。患者は20代で乳がんに罹患した娘さんとそのお母さんでした。お母さんは卵巣がんの既往があり、娘さんの病歴と家族歴からは遺伝性乳がん卵巣がんの可能性がありました。母娘は娘の病変のない乳房の予防的切除を希望していました。当時の私は予防的切除に関する知識が乏しいだけでなく、それを希望する方にどのように寄り添って良いのかも分からず、不安そうな患者を横目にその場にいるだけの看護師でした。私は看護師としての自分の力の無さを痛感し、もっと看護について学びたいと思うようになりました。

進学を迷っていた時期に背中を押してくれた管理者のエピソード

私が進学を考えるようになった当時、私の部署には認定看護師や専門看護師として活躍する看護職が4名在籍していましたが、3年間仕事をしながら大学院に通った例はありませんでした。私は仕事を続けながら進学したいと考えており、そのことを当時の上司に相談したところ、私が年間に取得できる有給や公休を計算してくれ、半休制度をうまく利用すれば3年間での単位取得(当時26単位)は可能ではないかと推計を出してくれました。このことは進学を決意する上で大きな後押しとなりました。

在学期間中を支え続けてくれた管理者と同僚

遺伝診療部の仲間
(乳がん看護認定看護師と認定遺伝カウンセラー)

3年間の在学中は上司を始め、同僚、先輩、後輩などあらゆる仲間から沢山のサポートをして頂きました。特に上司からは勤務管理だけでなく、私が仲間から理解を得られるよう細やかな配慮をしていただいたと思います。例えば、大学院の授業は平日の日中に開講されるため、平日午後の忙しい外来業務を同僚に任せて授業に行かなければならない事が度々ありました。そんな時、どんなに人手が足りない時でも上司は嫌な顔一つせず笑顔で「行ってらっしゃい!頑張れよ〜。」と大きな声で見送ってくれました。平日休む分、休日の当番を増やしてもらっていましたが、週末休まず働いた月曜には「大丈夫?働き通しで。」と心配して下さいました。上司自ら私をサポートする姿勢を見せる事で、私だけでなくそれを支える同僚の気持ちに感謝し、励ましてくれていたのだと思います。大学院時代は辛く苦しいことも沢山ありましたが、支えてくれている上司や同僚のことを思うと「途中で投げ出すことなどできない」と強くなれました。

遺伝看護専門看護師としての活動を支えてくれる管理者の存在

お世話になったナースマネージャーと

遺伝看護専門看護師に認定されて間もない頃、10代のお子さんの遺伝性腫瘍に関する相談がありました。最初は小児科医、遺伝を専門とする医師、認定遺伝カウンセラー等と協働して対応を検討していましたが、小児期特有の課題に対応するためには小児看護の専門職に加わって欲しいと思い始めました。その事を上司に相談したところ、小児科のナースマネージャーに連絡してくれ私が協力を求め易い環境を整えてくれました。その結果小児科の看護師3名の協力を得て、何度も話し合い、互いに学び合いながら、対応を検討したり説明資料を作成したりしました。このプロセスではコンサルテーションや教育、実践など、様々な役割を応用する事ができ、専門看護師として価値のある経験ができました。
遺伝看護を学ぶことを決意させてくれたのはこれまでに出会った大勢の患者ですが、学ぶための環境を整え、助けてくれたのは上司や同僚に他なりません。私が培った知識や技術は皆さまから与えていただいたものと考え、患者、同僚、組織、社会の為に活かし続けていける専門看護師でありたいと思っています。

看護管理者からのメッセージ
細川 恵子さん(聖路加国際病院 外来系Ⅰ ナースマネージャー)

当科には3分野、4名の専門看護師が勤務しています。当科に専門看護師が配置されていることで、スタッフナースがタイムリーに困難な事例について相談ができ、またそれが、看護の底上げにつながっています。院内でも横断的な活動が出来るようにサポートしたいと考えており、折に触れて、色々な場で彼らがどのような活躍をしているのか、彼らの役割は何なのか説明するように心がけています。それらを皆に知ってもらうことで、彼らの活躍の場が広がることと思っています。
専門看護師の皆さんには、スタッフナースのロールモデルとしても活動していただきたいと思っています。スタッフナースが彼らの活動を間近に見て、専門的に知識を深めたいと、さらに学びを深めるきっかけとなってもらいたいと思います。
これからのさらなるご活躍を期待しております。

(2018年12月13日掲載)

 

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